UYOの部屋/特別企画/サウンドカード デジタル入力への道

特別企画-SPECIAL-

番外編その5・プリエンファシスのかかった音声の処理

番外編その1・BSデジタル音声でビデオキャプチャ
番外編その2・間違いサンプリングレートの直し方
番外編その3・DATデッキに光出力
番外編その4・SC-88でデジタル出力

 BSやCSの衛星放送に用いられているデジタル音声は、プリエンファシス(pre-emphasis)という処理が行われています。また、一部の古いCDにも、プリエンファシスのかかったものが存在しています。
 プリエンファシスのかかったデジタル音声をAudioPCI改やYMF744等のデジタル音声入力デバイスで取り込んだ場合、そのデータにはディエンファシス(de-emphasis:エンファシス解除)という処理を行わないと正常な音声になりません。このページでは、WTCさん作のディエンファシスツール、およびCoolEditを用いた(似非)ディエンファシス処理の方法を紹介します。

ご注意!

 当たり前な話ですが、BS等のデジタル放送やCD等から取り込んだ音楽などは、個人で楽しむなどの他は、著作者に無断で使用できません。データの取り扱いには十分に注意してください。権利の行使は義務を守ってから、です(^^)
 また、この作業は音声データを書き換えますので、元のデータを残しておきたいという方はバックアップを取っておきましょう。

#初版(非公開):1999/10/20頃
#情報追加・公開:2000/1/3
#WTCさんのツールに関する情報追加:2000/5/9

1.エンファシスとは?

 音質向上のための手段のひとつで、音声を送信・記録する前にあらかじめ高音域のレベル(音量)を上げておき(プリエンファシス)、受信・再生側ではその分だけ高音域のレベルを下げて元に戻します(ディエンファシス)。これによって高音域の音質向上、特に耳につきやすい高域のノイズ低減に効果があります。衛星放送等のデジタル音声だけでなく、FMラジオ放送やTVの音声部分にも使われている技術です。
 プリエンファシスのかかったデジタル音声の場合、音声データの他に「この音声はプリエンファシスがかかっています」という内容の情報が付加されていて、受信・再生側はその情報を見てディエンファシス機能(D/Aコンバータの後に接続されたアナログフィルタ)をONにします。CDにもエンファシス情報を記録する部分がありますし、SPDIFを通る信号にもエンファシス情報を伝えるための枠が用意されています。
 ところが、最近広く出回っているデジタル入力付きの一般向けサウンドカードの類は、このエンファシス情報を無視してしまいます。また、世界中のCD吸い出しソフトの多くも、エンファシス情報の有無を記録したりユーザーに告知する機能がありません(最近のCDはまずエンファシス無しなので、通常はさほど問題ありませんが)。そもそもWAVEファイルにはエンファシス情報を記録する部分が用意されていないので、一般のサウンドカードのWAVE再生機能にはディエンファシス機能が存在していません。こうして、プリエンファシスがかかった音声をディエンファシス無しに再生すると、高域が強調された音になってしまい、正常な再生ができません。
 そこで、窮余の策ではありますが、取り込んだデジタル音声にあらかじめディエンファシスに相当するフィルタリング処理を施してやることで、サウンドカードでも正常(もどき)な音声が再生できるようにしてやります。

2.作業用ソフトウェアの用意

 WTCさん作のディエンファシスツール"wavedemp.exe"は、上記の処理を自動的に行ってくれる便利なツールです。コンソールアプリではありますが、処理速度も大変速く、何よりフリーで公開されているので、使わない手はないでしょう。
wavedemp.exeは、かえでと衛のホームページでダウンロードできます。

 これまで紹介してきた方法では、Cool Edit 96あるいはCool Edit 2000を用います。試用版は機能制限付きなのですが、今回の用途にはそれで十分です。以下に紹介する操作方法はCool Edit 96での操作ですが、Cool Edit 2000でもほとんど同じです。
-1.wavedemp.exeによるフィルタリング操作

 ダウンロードした.lzhファイルを解凍し、wavedemp.exeをパスの通ったディレクトリなど、適当な場所に置きます。パスの意味が解らない人は、ディエンファシス処理を行いたいWAVEファイルと同じ場所にコピーしましょう。
 次にMS-DOSプロンプトを開き、WAVEファイルを置いた場所をカレントディレクトリにして、次のように入力します。
C:\TEMP>wavedemp.exe input.wav output.wav 1
※実際にキーボードから打ち込むのは白い文字の部分です。
input.wavの部分には、エンファシスのかかったWAVEファイル、output.wavの部分には出力ファイル名を指定します。最後の1というのは音量調整用で、省略しても大丈夫です。
最後にEnterキーを押すと処理が始まります。そこそこ速いCPUとHDDがあれば、再生時間の10分の1以下で終了します。再生してみると、エンファシスのかかった音声と元の音声との差が、はっきり分かると思います。

-2.Cool Editによるフィルタリング操作

 Cool Editのインストール後起動すると、試用する機能を選択するダイアログが現れますので、一番上の「Save」が含まれる項目と、上から4番目の「Filter and Noise Reduction」の項目にマークが付くようにして、OKを押します。
 処理を施すWAVEファイルを開き、メニューバーの「Transform」→「Filters」→「FFT Filter...」をクリックすると、フィルタのダイアログが開きます。
Cool Edit 96 (C)Syntrillium software corp.

 右の図を参考にしながら、上の図のようにフィルタを設定します。
 ダイアログ上方のグラフの適当なところをクリックすると白い点(グラフの頂点)が出てきますので、その白い点をダブルクリックして、出てくるダイアログに周波数(3180Hz/10600Hz)と増幅・減衰量(0dB/-10.45dB)を入力します。

フィルタ特性イメージ図
※実際のフィルタ特性とは異なります。

 設定が終わったら「OK」をクリックして処理開始です。設定や環境にもよりますが、私の環境(K6-2/450MHz)では、上の図の設定で再生時間の8〜9割くらいかかるようです。
 処理が終わったら保存して完了です。元のファイルを残しておいて、どのような違いがあるのか聞き比べてみるのもよいでしょう。



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