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- 国道291号線 旧中山隧道
中山隧道を見てみたいと思ったのは、とある車好きな方より、ここを通った時の話を聞いたのがきっかけです。
「高さ制限1.5m、幅制限1.4m、大概の地図では通行不能扱いになっている」と聞けば、興味を持たないわけがありません。
初めてここを訪れたのは、学生時代の友人と連れだって車で長野へ行ったときのことでした。
帰りは柏崎→小出と走ったので、ついでにここへ寄ってもらったのですが、時間は深夜の2時頃。暗闇の中に素堀りの壁を照らす蛍光灯が浮かび上がる光景は、あまりにも不気味で誰も歩いて通過する気になれず、入口だけ拝んで帰ってしまいました。
既に新トンネルが建設中で、旧トンネルが近いうちに閉鎖されるのは目に見えており、この時カメラを持って通っていれば…と、今でも悔やまれます。
そんな私の強烈なリクエストもあって、関東も冬が近い11月下旬、やはり学生時代の友人2人と一緒に、この隧道を訪れることになりました。その時にデジカメで撮った写真を載せておきます。
中山隧道は、新潟県山古志(やまこし)村と広神村(現:魚沼市)の間にある、国道291号線のトンネルです。
中山隧道の歴史は作りからしてかなり長いようですが、私の方では調べていないので不明です。(注: 追記あり)
現在はすぐ隣に新しい「中山トンネル」が開通しており、中山隧道の片方の入口は事実上閉鎖状態になりました。もう片方の入口も、近いうちに柵などによって入れなくなると思われます。
追記: 現在中山隧道は保存整備され、山古志側入口を含む一部を見学可能となっています。関係者の方々へ惜しみない拍手を。
当時はネットに情報がありませんでしたが、現在はトンネルが誕生した経緯もWebで公開されております。是非ご覧ください。
こちらが広神側入口。正面右が貫通した新トンネルです。
旧隧道は写真中央の壁を登った、新トンネル入口左上の高くなっている場所に入口があります。
初めて訪れた時は写真中央の壁の上から右に向かって仮橋が架けられていて、旧トンネルを利用することができました。
仮橋がなくなった今、どうやって壁の上に登ろうかと一瞬思ったのですが、壁のところにはしごが掛けられていたので使わせてもらいました。
こちらの写真は旧トンネルの現役時代から立っていた標識です(前の写真でも、左の高台の上に立っている所が小さく映っています)。
「幅員狭小のため四輪車通行注意」下の白地の部分は「最小幅員1.4m」と書かれていますが、「注意」の部分が後から書き換えられているのが気になります。「不可」とか「禁止」とでも書いてあったのでしょうか。
このすぐ先に、次の写真の高さ制限と車幅制限の交通標識が立っています。
そして、これが隧道の入口です。寒さと霧のせいか、うまく撮れていません。(;_;)
坑門の装飾は皆無で、山肌に洞窟の入口のような穴が空いているという表現がぴったり来ると思います。(^^;
露出した土の表面はわずかに水が流れていて、苔などがびっしり生えており洞窟風味をさらに盛り上げています。
写真を撮り損ねてしまったのですが、照明器具は天井や壁に直接取り付けられないようで、路面から鉄パイプで頭上をまたぐアーチを作り、そこに照明が取り付けられています。
以前は蛍光灯が取り付けられていて明るかったのですが、現在は取り外されており真っ暗です。
いざ中へ。
トンネルは一直線ではないので、入口から出口は見えません。これは出口の光が見えた場所で撮った写真です。
ごつごつした壁は湿っていて、足元に水たまりがたくさんできていましたが、歩くのに苦労するほどではありません。
崩落を防ぐためなのか、天井部分に金網を張ったりセメントを吹き付けたりするなどの工夫が為されています。
山古志側の出口が近づくと、さっきまで不定形でごつごつしていたトンネルの形が均一になり、真っ直ぐ出口が見えるようになります。
広神側は真っ直ぐ掘れない理由があったのでしょうか。
山古志側の入口に到着しました。
広神側は山肌そのままの坑門でしたが、こちらはコンクリートで少しだけトンネルを延長してあります。
広神側でも見た注意喚起の標識や車高・車幅制限標識の他に、「中山トンネル内地山崩落のキケン 全面通行止」と書かれた看板が立ててありました。
新道となる中山トンネル入口と共に撮影。山古志側は新旧の入口に高低差がありません。
帰りは新トンネルを歩いたのですが、途中でこんなものを見つけました。
地質や新旧トンネルの位置関係などがよく分かります。
(写真下手ですみません…)
新トンネルで広神側入口まで戻ってきました。通行止めの看板がある横を、地元のものと思われる車が勢いよく通過していきました。(^^;