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- 青梅より3つの旧トンネル
今回は範囲が広いので、地図も特大サイズ(笑)。但し細部は不正確なので、お手持ちの地図でご確認ください。
元々はネット上で畑トンネルの紹介を見て自分でも見てみようと思ったのがきっかけですが、地図を見ながら近くの旧トンネルにも行ってみました。
いつものように心霊スポット好きな友人と深夜に車で向かったのですが、運転手の友人は途中で睡魔に負けてしまいダウン。最初の目的地である畑トンネルへは、私の運転で向かいました。
1999-04 | : | 訪問 |
1999-06-23 | : | 掲載 |
1999-11-26 | : | 同トンネルの記事追加に伴い追記 |
2021-09-21 | : | リニューアルに伴い加筆修正 |
畑トンネル
到着したのは午前4時半頃。ちょうど空が白み始めた頃です。トンネルに車で飯能側から入るとトンネルを通過直後に道幅が広くなっている場所があるので、そこに車を止め夜が明けるまで待つことにしました。
車のエンジンを止めると周囲はしんと静まり返ります。ふとエンジン音が聞こえたかと思うと、乗用車が青梅側のヘアピンカーブを登ってきて、トンネルへ入っていきました。しばらくすると別の車が、トンネルから出てきて坂を下っていきました。またしばらくすると、2回目に通ったものと同じ車種の車が、今度は坂を上ってきてトンネルへ入っていきました。
噂には聞いていましたが、ここは人気の場所のようです。
追記: 現在は飯能側の坑口へ達する道路の一部が飯能市クリーンセンターの敷地内となり、飯能側から畑トンネルへ到達することは非常に困難となっているようです。
当時は飯能側の坑口付近に同市が設置した解説パネルも存在しており近代産業遺産的な存在でもあるので、徒歩でも良いので坑口付近だけでも到達できると嬉しいのですが…これも時代の流れでしょうか。
トンネル手前で道幅を半分塞いでいる土砂や枯れ木は、旧道化後に小規模な土砂崩れが発生した痕跡だそうです。
夜が明けてきたので、車を降りて、歩いてトンネルを数往復してみました。
朝露でしょうか、雨が降ったわけでもないのに木々から水滴が落ちてきます。鳥の鳴き声が山のあちこちから聞こえて、実にのどかなところです。
ふと思いついて、たまたま持ってきていたポータブルMDと小型マイクを使い、この音を録音してみました。機材が安物なのでちょっと音質が厳しいですが、自然に包まれつつある山の旧道の雰囲気をお楽しみください。
飯能側坑口の外でウグイスが鳴いていました。100m先がゴミ処理場とは思えません。
青梅側坑口にて。壁から水がしみ出して流れ落ち、道路にあふれて小川を作っています。
録音しながらじっと立っていると、何だかとても長い時間ここにいたような気分になってきます。で、MDを見てみると1分しか過ぎていなかったりして。(笑)
畑トンネル・その他の写真
各画像をクリックするとフルサイズが表示されます。
古びてはいても、赤煉瓦がとても美しいトンネルでした。明治時代の建造物は、機能性だけでなく気品を感じさせるようなデザインや存在感があって好きです。
近くに立ち寄ったらまた行ってみたいです。
さて、再び車に乗り込んだ後は、相変わらず眠ったままの友人を乗せて、青梅市の南にある旧満地トンネルを目指したのですが、その前にもう一つの旧トンネルを紹介しておきましょう。
(旧)吹上トンネル
これは別の日に友人と付近をドライブした際に、私が地図を見ながら偶然発見して立ち寄ったものです。発行年が違う2冊の地図を見比べると、古い地図と新しい地図とでトンネル周辺の道路の形が違っているのでした。
残念ながらカメラを持っていなかったので写真はありませんが、最近の地図で切り替わっているだけあって、乗用車なら十分すれ違えるほどの大きなトンネルでした。しかし大型車にはやや狭く急カーブもあるため、新道へ付け替えられたようです。現在は歩道も整備され、距離も短縮した新吹上トンネルがすぐ近くを通っています。
不思議だったのが、既に車が入れない状態にも関わらず道路の照明が点灯していたこと。まるで今にも車が走ってきそうな雰囲気でした。
追記: この場所にはさらに古いトンネルが存在します。後日再訪した記録は「吹上峠の旧トンネル」で紹介しています。
(旧)満地トンネル
青梅市街を北から南へ抜けて国道411号線を走り、目的の満地トンネルに到着しました。
現道である新満地トンネル北側坑口のすぐ横に旧道分岐が見えますが、車を停める場所がありません。
車で向かう場合は新満地トンネル南側坑口を出た直後に右折(八王子方面から来た場合は、トンネル手前で左折)して、新満地トンネル南口の真上へ回り込むように移動すると、南側から旧トンネルへ続く旧道の入口があり、こちらでは停車して観察することができました。(Google Map)
ここは現在でも道路地図にきちんと掲載されています。というのも、歩道専用のトンネルとして現役で使用されているためです。
古く小さなトンネルの隣に並行する新トンネルが開通すると、旧道が保守整備されなくなり立ち入り禁止になるケースが多い印象ですが、ここは新トンネルに車道のみを通して旧トンネルを有効活用する方法を採用したようです。
前後の旧道はギリギリ2車線あったと思われる道幅の両端に植え込みを作るなどして、旧来の構造(石垣や築堤など)へ大きく手を加えない範囲で歩道化してあるように見えました。通行がどれくらいあるのかは分かりませんが、車の騒音や排気ガスからも隔離されていて気持ちよく散策することができ、ある意味幸せな旧道と旧トンネルの姿を見た気がしました。
追記: 廃線隧道【BLOG版】様によると、トンネルは南へ約50m延伸し坑門を改修するなど大規模に手が入っているそうです。改修前の姿は(旧)吹上トンネルに似ていたそうなので、自然石やコンクリートが主体で無骨なデザインのトンネルだったと思われます。
現在の姿は、現役当時の姿を残して欲しかった人には寂しく感じられるのかもしれません。
満地トンネル・その他の写真
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