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- 太白山 旧秋保鉄道トンネル
この場所は友人の誘いで仙台へ旅行に行った時に、心霊スポット訪問が趣味の友人から「仙台市内の心霊スポットに行こう」という話を持ちかけられ、インターネットで探しているうちに発見したものの1つです。
しかも昔走っていた鉄道のトンネルだそうですから、私としても訪れる価値有りということで、行って写真を撮ってきました。
行き方は Google Map で見ていただくのが一番ですが、仙台市街から国道286号線で東北自動車道の仙台南ICへ向かう途中、山田交差点で太白団地方面へ右折し、あとは東北自動車道と交差する場所までひたすら直進です。ただし、途中で広い道が右折(道が急角度で右に曲がっている)で狭い道が直進(右に曲がる広い道から左に入る形になる)という信号のない交差点があり、ここは狭い道へ直進するのが正解ですので注意してください。
旅行のついでなので、珍しく白昼の撮影です。いつも夜間とか早朝の写真ばかりなのでちょっと新鮮な気分です(笑)。
1999-? | : | 訪問 |
1999-06-18 | : | 掲載 |
2021-09-21 | : | リニューアルに伴い加筆修正 |
トンネルの北側坑口を遠くから眺めたところ。写真中央の黒いところがトンネルの坑口です。
写真の右側は、東北自動車道建設のために山全体がごっそり削られてしまっています。切り通しに比べ、トンネルが山の景観を残している良い対比だと思いました。
もう少し坑口へ近づいてみました。
トンネルへ至る道はまったく舗装されておらず、手入れもほとんどされていないようで、かなり凹凸が激しいです。自動車での通行は厳しいかもしれません。
また、足元がかなりぬかるんでいて、歩いていくのも結構大変でした。
トンネル内部はこんな感じです。
トタン板のような波のついた金属板が壁を覆っています。そういえば佐白山のトンネルもこんな壁でした。建設当時のものには見えないので、後から付けられたのかもしれません。
トンネルの長さは100mもないのですが、トンネル内外ともに照明はなく、昼でも出口の光以外視認が難しい程度でほぼ真っ暗と言えます。夜はどこが出口かもわからなくなりそうですしトンネルの南側は生活の気配もないので、暗さと寂しさから心霊スポットと噂されるのでしょう。
トンネル内部の地面は砂利が敷かれていましたが、これが鉄道時代のバラスト(線路の下に敷かれている砂利)そのままだったりするのかな…と妄想が膨らみました。
とりあえずトンネルを通り抜けて、南側の坑口を撮影しました。
ざっと見た感じ軽トラックでいっぱいいっぱいになりそうな断面で、電車が通っていた割には随分と小振りなトンネルのように見えます。
南側のトンネルの先へ続く道は東北自動車道の下をくぐり抜けて、さらに先まで砂利道が続いていました。秋保電気鉄道という名前の通り、線路は秋保温泉郷まで続いていたのでしょうか。
追記1: 鉄道現役当時のトンネルはもう少し高さがあり、現在は床の部分がかさ上げされて天井が低く見える状態のようです。検索すると現役当時のトンネルを撮影したと思われる古写真が見つかり、縦に細長いトンネルの形状を確認できます。
…ということは、床面の砂利は当時のバラストではなく、鉄道廃止後に盛られた砂利である可能性が高いですね…(^^;
追記2: 線路は秋保温泉の入口目の前まで続いていたそうです。
当時はネットに情報がありませんでしたが、現在は「秋保電気鉄道」で検索すると沢山の情報が得られますので、興味がありましたら是非読んでみてください。
行きは別の人がライトを持って立ち止まることなく通り抜けてしまったので、私は前の方しか見えなかったのですが、なんとなく右側に壁がない部分がある気配だけ感じました。
そこで帰りは壁を照らしながら歩いてみたところ、こんなところが。サイズ比較のため、友人に立ってもらいました。鉄道時代に何らかの機器が置かれたスペースや、歩く人が列車を避けるためのスペースのようにも見えます。
ここが心霊スポットと噂される理由の1つに、鉄道があった頃にはここを歩いて通り抜ける人も多く、列車に轢かれる事故が多かったという説があるのですが、トンネルの長さも短く待避可能な場所まであるので、そのような事故が何度も起こるようには思えませんでした。
ここを通った鉄道が廃止されたのは私が生まれるよりもずっと前だそうですが、鉄道で通ってみたかったと思える場所でした。きっと当時はのどかな山中をのんびり走る電車だったんだろうなぁ。